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【テクニカルライティング技術#11 副詞を有効活用してIt is X that…を回避する方法】

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今日の記事は、こんな方にお勧めです!
  • It is X that…の形をよく使っていて、文章が長くなりがちな方
  • 普段、使い慣れない副詞をうまく使って、文章をカッコよく、スッキリ書きたい方

It is X that…は、便利で良く使用するのですが、良くないのですか?

洋平さん

もちろん使ってOKなのですが、使わなくても文章がスッキリ書けるコツがあります。今日はそんなコツを見ていきましょう!

Tak石河

そもそもIt is X that…って何??

さてこのIt is X that…ですが、文法的には、「形式主語」と「強調構文」という2つに大別されます。これをまずおさらいしてみましょう。

Tak石河

形式主語のIt is X that…

英語は、主部が長すぎると、文のバランスが悪くなるので、形式主語のitを文頭に置いて、本来の主部は述部の後に置く形を取ることが多い。「先行のit (The Anticipatory “It”)」とも呼ばれるよ。

アメリカ人同僚 盟友Liam

文章にすると、やや難しいように感じられますが、要は、最初のitは仮に置いてみただけでそれ自体にはあまり意味がないです。「that節以下の内容」が本当はitに入るのですが、長いから後ろに置いただけですね。(※文法的には正確ではなく、大雑把な把握のための説明です)

Tak石河

例えば、次のような文例が挙げられるね。

アメリカ人同僚 盟友Liam

 

  • It is natural that Ayaka-san (should) get angry.

→That Ayaka-san (should) get angry is natural.が頭でっかちになる(この場合は文法的に誤りであることもあるが)ので、itを先に出して、that節以降を後に回している。

上記はthat節ですが、以下のようなto…で続くパターンもあります。

  • It is difficult to solve the problem.

→To solve the problem is difficult.が頭でっかちになるので、itを先にして、後でto solve the problemを出している。

 

この形式主語が力を発揮するのは、文章が頭でっかちになることを避けられるということだね。

アメリカ人同僚 盟友Liam

ネタバレですが、本記事後半で出てくる形式主語の例文でも、形式主語のitを使わないと、すごく頭でっかちになる例が出ています。

Tak石河

 

  • It is said that Asada-san embezzled the company’s money.

(浅田さんは会社の金を横領したと言われている。)

  • It is reported that Asada-san has been involved in a wide range of illegal activities: laundering of drug money, blackmailing or bribery of politicians and high-ranking government officials.

(伝えられる所によると、浅田氏は、麻薬資金などの資金洗浄、政府高官への脅迫や贈賄など、広範囲の不法行為に関わったとされる。)

  • Asada-san came to USJ with only 1,000 yen. It was obvious that he did not have enough money.

(浅田さんはたった1,000円を持ってUSJに来た。お金が足りないのは明らかだった。)

確かに、どれも文章の後半、that節から後が長いですね…。

洋平さん

形式主語のことよりも、さっさと浅田さんをクビにしましょう

綾香さん

Itの特別用法 -形式を整える働き-

形式主語の他にも、以下の構文のようなitの用法があり、いずれにしろthat節が全体の叙述の中心で、itは形式を整える働きをする、と言われています。

Tak石河

例を見てみよう!

アメリカ人同僚 盟友Liam

 

  • It seemed that Asada-san knows Ayaka-san’s secret.

(浅田さんは綾香さんの秘密を知っているらしい。)

  • It happened that Asada-san was out when Ayaka-san dropped in.

(綾香さんが寄ったときは、浅田さんはたまたま外出中だった。)

 

あのクズ男……!!!

綾香さん

強調構文のIt is X that…

<It is X that…>の<X>の部分に、文章中の語句を入れて、「…するのはXだ」と強調することがあります。これは、強調構文と呼ばれています。下記の文章の例で見てもらえばと思いますが、結構色んなものを強調することができますね。

Tak石河

例を見てみよう!

アメリカ人同僚 盟友Liam

強調構文の例
  • Asada-san met Ben in the park yesterday.

(浅田さんは昨日、公園でBenと会った)

⇒色々な部分を強調できます!

  • It was Asada-san that met Ben in the park yesterday.

(昨日、公園でBenと会ったのは浅田さんだった)⇒「浅田さん」を強調

  • It was Ben that Asada-san met in the park yesterday.

(昨日、公園で浅田さんが会ったのはBenだった。)⇒「Ben」を強調

  • It was in the park that Asada-san met Ben yesterday.

(昨日、浅田さんがBenと会ったのは公園だった。)⇒「公園」を強調

  • It was yesterday that Asada-san met Ben in the park.

(浅田さんがBenと公園で会ったのは、昨日だった。)⇒「昨日」を強調

綾香さんってさ…実は「*******」らしいぜ‼

公園で密会する浅田さん

何っ!?!?!?!? やっぱり…実はそうじゃないかとちょっと思ってたんだ…。情報提供、感謝する。

同じく公園で密会中のBen

Benさん…昨日、浅田さんから昨日、公園で一体何を聞いたんですか…!?

綾香さん

イエ、私は何も聞いてまセーン

Manager Ben

あの、結局、(綾香さんの)秘密って何だったんですか?

きっちゃん

あー、いや実は、綾香さんは経歴上2X歳になっているが、実際にはどう考えても3X…いやもしかしたら4X歳かもしれないという超極秘情報を、浅田Projectのメンバーが発見したらしくてな…

Manager Ben

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・

綾香さん

ヒィッ!?!?

Manager Ben

このように、It is X that…には大別して2つの用法がありますが、今日の記事はこれらの用法のうち、形式主語のIt is X that…に関して、スッキリと書く方法についてご紹介します!

Tak石河

It is X that…の弱点とは?

It is X that…が悪いわけじゃないんだけど、この表現の弱点としては、文章が長くなりがちになることだね。

今日は、この表現を使いすぎて、文章がくどくなりがちというお悩みの方に、是非参考にしてもらえばと思う。

アメリカ人同僚 盟友Liam


 

英文テクニカルライティングの教本には、色々なものがありますが、ASCスタイルガイドにも、It is X that…を避けることを示唆する記載があります。

という、アメリカ化学会が上司している手引書にも、形式主語のIt is X that…(It is X to…)を避けることを示唆する記載があります。

Tak石河


使用を控える語句

次のような意味のない句を省く。

It is interesting to note that(興味深いことに)

(📖出典📖 ASCスタイルガイド 中山裕木子 訳)

「興味深いことに」という、一見大事そうなことが、意味の無い句となっているのは、とても面白いですね!

綾香さん

ちょっと待てよ‼It is important that…は俺っちのSales reportの文字数を沢山増やしてくれる貴重な表現なんだぜ!!

英文レポートをかさましする浅田さん

そんな字数かさまししただけのSales reportなんて読みたくないわ。そもそも貴方という存在がこのコーナーによって不要なのでさっさと消えてくれないかしら?

辛辣な綾香さん

では、今日は副詞を有効活用して、文章をスッキリ表現する方法を見ていこう!

アメリカ人同僚 盟友Liam

It is X that…を一発で代用してくれる便利な副詞4選!

では、ここからは、私、Tak石河が個人的に、テクニカルライティングで役に立った副詞を厳選してお伝えします!

Tak石河

便利な副詞(1)allegedly – It is said that…の代用

最初のallegedlyは、真意のほどは不明であるが、伝えられるところでは、の意味になるね!

アメリカ人同僚 盟友Liam

あまり普段は使う機会はないかもしれないですが、新聞記事では良く見る表現ですね。

Tak石河

 

Asada-san allegedly embezzled the company’s money.

(=It is said that Asada-san embezzled the company’s money.)

(浅田さんは会社の金を横領したと言われている。)


embezzledってどういう意味?って思った読者の皆は、会社の犯罪英語を俺様が解説したこの記事を読んでくれよな!

Sales Manager浅田さん

ハイ、現場確保。(自称)Sales manager浅田氏による会社運転資金横領が発覚したので、至急人事警察の応援をお願いします

綾香さん

ま…待て…!!だからallegedlyは真意のほどは不明なんだから、それだけじゃ証拠不十分だぜ…‼

Sales Manager浅田さん

そうだよ。allegedlyは、真意は不明だから浅田さんを有罪ということはできないよ。

アメリカ人同僚 盟友Liam

火の無い所に煙は立たぬ、という言葉を知らないのかしら…?怪しすぎるので逮捕、即逮捕よ。第一、貴方のような犯罪予備軍もとい犯罪者はこの真面目コーナーは出入り禁止のハズなのですけど

綾香さん

ね、姐さん…‼あと一歩の所で証拠がミツカリマセン…‼!このままだとマズいですよ…!!

人事警察のムキムキマン

 

今回ばっかりは、俺っちの方が上手だったみたいだな…!!

実際無罪だしな…!!

さあ、これは名誉棄損に当たるんじゃねぇのか…!?!?

Sales Manager浅田さん


 

くっ……!!

証拠なんて、もう少しで出てくるに違いないわ…‼

 

あと、そこ姐さんて言うな……!!

綾香さん


便利な副詞(2)reportedly – It is reported that…の代用

Asada-san has reportedly been involved in a wide range of illegal activities: laundering of drug money, blackmailing or bribery of politicians and high-ranking government officials.

(=It is reported that Asada-san has been involved in a wide range of illegal activities: laundering of drug money, blackmailing or bribery of politicians and high-ranking government officials.)

(伝えられる所によると、浅田氏は、麻薬資金などの資金洗浄、政府高官への脅迫や贈賄など、広範囲の不法行為に関わったとされる。)

(📖出典📖 英辞郎 on the WEB Pro 一部改変)

そうそう。この文章は、上記のIt is reported that…を、reportedlyを用いてスッキリと表現できる。

アメリカ人同僚 盟友Liam

 

地味ながら上手い表現ですね…って、浅田さん…マズいですよ…‼

浅田さんのこれまでの犯行が洗いざらい報道されています…!!物的証拠も多数出ているようです…‼もうダメです…自首しましょう…‼

きっちゃん

な、何ィ…⁉……っていうかマジで知らんし。やってねぇし。

Sales Manager浅田さん

 

あらあら、やっぱり有罪だったみたいね。これだけやってしまってたら重罪は免れないわね。

さて、(1)北極でホッキョクグマと仲良く懲役50年(2)タラ〇ガニ漁60年のどっちがいいかしら。

綾香さん


いやだから今回は俺マジで無罪だーーーーー‼

「今回は」って何だ「今回は」って。

Manager Ben

 

タイーホ‼

さあ、タラ〇ガニ漁いこうか。

カニ漁船に連れ込む人事警察のムキムキマン


俺は無実だーーー‼

Sales Manager浅田さん

さて、邪魔者をこのコーナーからようやく追放してスッキリした所で、もう少し例文を見てみましょう。

綾香さん

 

Asada-san reportedly claimed the devil forced him to commit the crime.

(浅田氏は、犯行の動機については「悪魔が入ってきた」などと供述しているという。)

 

いや、浅田サンには全面的に信頼を寄せていたので、本当にショックで仕方ないデス。

きっと、魔が差したにちがいがないデスね…。

誠意の欠片もないBen


ちげーよ‼それ何かの新聞記事の完全パクリじゃねーか‼

Sales Manager浅田さん

タラ〇ガニ漁船、出航‼

容赦ない人事警察のムキムキマン

うわーん‼‼‼‼‼

Sales Manager浅田さん

逝ってらっしゃい

綾香さん

カニ、楽しみにしてるぞ

Manager Ben

 

あの…。今回ばかりは、浅田さんマジで無実だったんじゃないんですかね…?

不自然極まりないほどタイムリーに証拠が出てきますし。

誰かが浅田さん、ハメたんじゃないでしょうか…?

きっちゃん


…クスクス

綾香さん

…ニヤリ(´艸`*) きっちゃん、何の話かね…?

Manager Ben

………!!!!!!

きっちゃん

 

まとめると、reportedlyはニュースなり新聞記事なり何らかの手段で、既に報道されているってことね。

まあ、タップリ証拠もできてたそうだし、有罪ということでいいんじゃないかしら

綾香さん


便利な副詞(3)seemingly – It seems that…の代用

 

これは、実は以前このブログの記事で扱ったことがありますね。

テーマがかぶってしまったので、以下リンクで再掲します^^;

Tak石河

 

簡単に要点を述べておくと、seemingly、この副詞を知っておくだけで、it seems that…を代用できてしまうことが多い。

リンク先の例文を一応載せておくよ。

アメリカ人同僚 盟友Liam


 

The noise is seemingly caused by the aerial flow.

(=It seems that the noise is caused by the aerial flow.)

(その雑音は気流によって生じたようだ。)


知っていると便利ですね!

綾香さん

便利な副詞(4)Obviously -It is obvious that…の代用

 

Asada-san came to USJ with only 1,000 yen. It was obvious that he did not have enough money.

=Obviously, he did not have enough money. / He obviously did not have enough money.

(浅田さんはたった1,000円を持ってUSJに来た。お金が足りないのは明らかだった。)

 

これは分かりやすい例だったね!ちょっとした工夫だけど、obviouslyと副詞を使うことで、明白にスッキリと表現できる。

アメリカ人同僚 盟友Liam

あの男、勤務中に1,000円だけ持ってUSJに行くなんて…何考えているのかしら?

綾香さん

何でも、今後の浅田プロジェクトにおけるエンターテイメント施設のマーケティング調査の一環と称して、自作の着ぐるみを装着してスタッフのフリしたら無料入場できないかの調査を行ったらしいが、当然の如く追い返されて調査は失敗に終わったそうだ…。

Manager Ben

(今日は浅田さん、いい所ナシ…‼)

きっちゃん

 

如何だったでしょうか?

今日はちょっとした工夫ですが、副詞を使うと、It is X that…の形式主語を簡単に避けることができる場合があります。

知っているだけで使うことができる場合が多いので、是非皆さんのテクニカルライティングにて活用してみて下さいね!


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