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【英語テクニカルライティング講座#3-1 比較にうるさい英語】

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この英文テクニカルライティング講座は、当ブログの他の記事と異なり、内容は至って真面目で、上級者向けの記事となっております。本講座のコンセプトは下記をご参照下さい。

(第0回の記事(上記リンク先)と、シリーズ中の記事の関連記事では、センセーショナルな内容があり得ますのでご注意下さい。

比較って、文法がやたらとややこしくて僕、すごく苦手意識あります…。

簡単に克服できるコツはないでしょうか?

洋平さん

そうですね、私のビジネス英語プレミアムコンサルでも、過去には英語の比較構文のご質問を受けることが多かったです。

英語は文法にうるさい言語ですが、その中でも特に、英語は比較(構文の文法)にうるさいと言えます。

今日の講座では、まず比較構文の基本的な文法からおさらいしていきましょう!

Tak石河


今日のお題はこちらです!

綾香さん

今日のお題!

<1>同等比較:AはBとおなじくらい~である

  • この日本刀はそのサバイバルナイフと同じくらい長い。

<2>優劣比較:AはBよりもより~である

  • この日本刀はそのサバイバルナイフよりも長い。

<3>数量差異を伴う比較:AはBよりも…くらい~である。

  • この日本刀はそのサバイバルナイフよりも50cm長い。
  • この日本刀はそのサバイバルナイフよりも2倍長い。

(※注)「この日本刀」=this Japanese sword, 「そのサバイバルナイフ」=the survival knife、と訳出してみて下さい

えっ…いきなり日本刀とサバイバルナイフですか…っ!?

っていうかこの日本刀、血まみれなんですけど…ちょっとのんびりとブログやってる場合じゃないんじゃないでしょうか…!?!?

Tak石河


あ、それは生血を吸う業物なので仕方ないんですよ

綾香さん

(ふふふ…この赤い彗星と呼ばれたこの俺の3倍速の動きについていけるか…綾香さん…覚悟…!!!俺様の高速ガトリングガンを…(*´Д`)ハァハァ

背後より迫る怪しい中年男性

はいそこっ!!!

綾香さん

ズバア―――――

ぐっはぁぁあぁぁぁぁあぁぁあ

赤く散った浅田さん

また、つまらぬものを斬ってしまった…って、はやく今日の比較の記事にいきましょうね。

綾香さん

(お、恐ろしい…!!)

Tak石河

<1>同等比較:AはBとおなじくらい~である

 

比較の表現を使う時には、まず比較する文章を並べてみて、それを比較の表現で繋げて、形を整えるようにする。

面倒に思うかもしれないけど、慣れないうちは以下の手順に従って行うようにしよう!

アメリカ人同僚 盟友Liam

 

手順① 比較する2文を並べてみる。

この日本刀はそのサバイバルナイフと同じくらい長い。

  • This Japanese sword is long.
  • The survival knife is long.

 

手順② 比較する2文を「as+原級+as」を使って繋いでみる。

This Japanese sword is as long as the survival knife is long.

手順③ 後半の重複部分を削除する。

This Japanese sword is as long as the survival knife is long.

This Japanese sword is as long as the survival knife.(完成)

もう1題、例文を見てみましょう。

Tak石河

例題(2)

新しく購入した日本刀の価格は、前の(日本)刀と同じ価格である。

うーん…。わざわざ前の手順を踏まなくても、簡単に書けそうですけど。これでどうですか?

洋平さん


△やってしまいがちな英文の例△

The price of the newly purchased Japanese sword is as high as the old sword.

一回、だまされたと思って、同じように手順を踏んでやってみてください!

Tak石河

手順① 比較する2文を並べてみる。

ここでは、「新しく購入した日本刀の価格は、前の(日本)刀と同じくらい高い価格である。」

と、形容詞を補ってみましょう。

  • 新しく購入した日本刀の価格は高い。

The price of the newly purchased Japanese sword is high.

  • 前の(日本)刀の価格は高い。

The price of the old sword is high.

手順② 比較する2文を「as+原級+as」を使って繋いでみる。

The price of the newly purchased Japanese sword is as high as the price of the old sword is high.

手順③ 後半の重複部分を削除する。

The price of the newly purchased Japanese sword is as high as the price of the old sword is high.

→The price of the newly purchased Japanese sword is as high as the price of the old sword.

 

さらに、繰り返しを避けるために、後半のpriceは代名詞that(複数形の場合はthose)を使うとより洗練された表現になります。

The price of the newly purchased Japanese sword is as high as the price (thatに変える) of the old sword.

The price of the newly purchased Japanese sword is as high as that of the old sword.(完成!)

ええと、結局僕の元々の案と大体一緒だと思うんですけど…

洋平さん


洋平くん。よく比べて見て。

綾香さん

△(やりがちな英文の例)The price of the newly purchased Japanese sword is as high as the old sword.

◎(正しい英文の例)The price of the newly purchased Japanese sword is as high as that of the old sword.


あ…後ろの部分が違ってる…!!

洋平さん

そうですね。この場合、比較しているのは「新しく購入した日本刀の価格」と、「古い日本刀の価格」なので、価格同士を比較しなければならないのです。

これはよくありがちなミスなので、特に注意するようにしましょう。

Tak石河

比較級にありがちなミス①

比較する対象を取り違えてしまう。

基本に立ち返り、比較する2文を比べてみよう。


<2>優劣比較:AはBよりもより~である

この日本刀はそのサバイバルナイフよりも長い。

次は優劣表現を見てみましょう。

Tak石河

うーん、「…よりも…」を和英辞書で調べてみると、確か…そうだ、compared toを使えばいいんだ!

洋平さん

compared toを使ったありがちな英作文

Compared to the survival knife, this Japanese sword is longer.

判定:△ かなり不自然だが、意味は分かる。特に日本人が使いがちな表現。

この英文の組み立ては、日本人の英作文にはよく見受けられますね。その理由はおそらく、日本語の発想と近いからと思われます。

Tak石河

 

Comparedを使う場合の日本語的英語の組み立て

Compared to survival knife, this Japanese sword is longer

~と比べると      サバイバルナイフ      この日本刀         はより長い


 

このCompared toは良く使っちゃいますね。

最初に「~と比べて」って書いちゃえば、後は文章繋げるだけで比較が完了すると思うので。

洋平さん


 

気持ちは分かるけど、これはかなり不自然なんだ。

間違いとは言い切れないけど、おすすめはできないね。

というのも正解を先に言えば

This Japanese sword is longer than the survival knife.

と比較級を使う方が余程自然だから。

アメリカ人同僚 盟友Liam


 

確かに。でも、Compared to…も、他にはCompared with…も見られる表現ではありますよね。

これらの表現を使うべき時って、どういう時なんですか?

綾香さん


 

compared to / withは、比較の基準を示す場合に使われ、compared toは異なる比較、compared withは類似する比較で用いられる。

また、比較する時は差を見ることが多いので、通常はcompared toになるね。

例を見てみよう。

アメリカ人同僚 盟友Liam


A dog is big, compared to a mouse.

(犬はねずみと比べると大きい。)

※注・・A dog is bigger, compared to a mouse.とは言わない

A dog is small, compared to an elephant.

(犬はゾウと比べると小さい。)

※注・・A dog is smaller, compared to an elephant.とは言わない

(📖出典📖 マスターしておきたい 技術英語の基本―決定版―:コロナ社)

ただし、これらの表現では、それぞれ

  • A dog is bigger than a mouse.
  • A dog is smaller than an elephant.

比較級を使う方が、よっぽど自然ではあります。

Tak石河

比較級にありがちなミス②

何でもcompared to/withを使ってしまう。

→間違っているわけではないが、通常の比較級の表現で十分で、かつ自然な場合が多い。

この比較の場合も、基本に立ち返って、2文の比較をすることからはじめてみましょう。

Tak石河

途中、「as+原級+as」を、「比較級+than」にしてみよう!

アメリカ人同僚 盟友Liam

手順① 比較する2文を並べてみる。

This Japanese sword is long.

The survival knife is long.

手順② 比較する2文を「比較級+than」を使って繋いでみる。

This Japanese sword is longer than the survival knife is long.

手順③ 後半の重複部分を削除する。

This Japanese sword is longer than the survival knife is long.

This Japanese sword is longer than the survival knife.(完成!)

なるほど…こっちの方がスッキリ表現できるんですね。

比較級、苦手だからついcompared toやcompared withを使っていました。

洋平さん


分からなくなったら、基本に立ち返って2文を繋げることをすると、ミスが防げますね。

Tak石河

ところで、今回の比較では長さ(length)を主語にすることはできるんでしょうか?

綾香さん

できるよ。ただしその場合の比較級は、length(長さ)がlonger(より長い)とせず、greaterとするので注意しよう。

アメリカ人同僚 盟友Liam

こちらも、基本の手順通りに組み立ててみましょう。

Tak石河

手順① 比較する2文を並べてみる。

The length of this Japanese sword is great.

The length of the survival knife is great.

※この2文は、それぞれの文章は若干違和感がありますが、比較級を作る前の準備として捉えて下さい。

手順② 比較する2文を「比較級+than」を使って繋いでみる。

The length of this Japanese sword is greater than the length of the survival knife is great.

手順③ 後半の重複部分を削除する。代名詞thatも活用する。

The length of this Japanese sword is greater than the length(that)of the survival knife is great.

The length of this Japanese sword is greater than that of the survival knife.(完成!)

<3>数量差異を伴う比較:AはBよりも…くらい~である。

この日本刀はそのサバイバルナイフよりも50cm長い。

この日本刀はそのサバイバルナイフよりも2倍長い。


数量差を比較級に追加する表現

では比較級のまとめとして、優劣比較に、具体的な差も追加したバージョンを見てみましょう。慣れるまでは大変ですが、これをクリアできれば一通りの基礎はクリアできるので、もう少し頑張って記事を読み進めて下さい!

Tak石河

まず、前項で見たように、「この日本刀はそのサバイバルナイフよりも長い。」という文章を組み立ててみよう。

アメリカ人同僚 盟友Liam

This Japanese sword is longer than the survival knife.

このlonger thanの前に、差の表現…50cm (longer than…)を付け足すだけてOKです!

This Japanese sword is 50 cm longer than the survival knife.

もう一つの方法は、文末にby (差の量)を付け足すことでもできるね。

アメリカ人同僚 盟友Liam

This Japanese sword is longer than the survival knife by 50 cm.

どちらも参考書でみかけるのですが、どう違うのでしょうか?

綾香さん

すごく微妙な差なんだけど、

This Japanese sword is 50 cm longer than the survival knife.

は、「50cm長いこと」に重点が置かれる。

一方で、

This Japanese sword is longer than the survival knife by 50 cm.

は、「(日本刀がサバイバルナイフよりも)長いこと」に重点が置かれ、その差が「50cmであること」という意味合いになる。

どちらかというと、最初の

This Japanese sword is 50 cm longer than the survival knife.

の方が多い印象だね。

アメリカ人同僚 盟友Liam

倍数表現を比較級に追加する表現

では最後に、「~倍長い」という倍数表現を見てみましょう。

Tak石河

こちらもまずは、以下の比較表現まで作ってみよう。

アメリカ人同僚 盟友Liam

This Japanese sword is longer than the survival knife.

 

このlonger thanの前に、X倍を示す英語、X timesを付ければOKです!

2倍なら、two timesになります。

Tak石河


This Japanese sword is two times longer than the survival knife.

ここで、日本語では「…のX倍」と名詞扱いし、英語では「X timesの…」と形容詞扱いしているけど、英語では途中にofは入らない。日本語の「…のX倍」に引きずられないようにしよう!

アメリカ人同僚 盟友Liam

ここで、他の表現方法として、X times as…asを使う方法があります。

Tak石河

ここでは、一番最初のThis Japanese sword is as long as the survival knife.を持ってこよう。

アメリカ人同僚 盟友Liam

そして、as long asの前にtwo timesを付けて、→two times as long asに変更して、以下のようにすれば完成です!

Tak石河

This Japanese sword is two times as long as the survival knife.

※ここでは、two times=twiceとして

This Japanese sword is twice as long as the survival knife.

でもOKです!

倍数詞+the+名詞 of~を使う方法

最後に、倍数詞+the+名詞(length, size, weight…ec) of~を使う方法をご紹介します。

ここでは、長さを比較しており、倍数詞が2倍なので、two times the length as を入れることになります。

Tak石河

This Japanese sword is two times as long as the survival knife.

→This Japanese sword is two times the length as the survival knife.

※ここでは、two times=twiceとして

This Japanese sword is twice the length as the survival knife.

でもOKです!


色んな表現方法があるんですね!

洋平さん

では、これまで出てきた方法をまとめてみましょう。

Tak石河

~今日のお題の比較の英作文 解答まとめ!~

 

<1>同等比較:AはBとおなじくらい~である

この日本刀はそのサバイバルナイフと同じくらい長い。

  • This Japanese sword is as long as the survival knife.

<2>優劣比較:AはBよりもより~である

この日本刀はそのサバイバルナイフよりも長い。

  • This Japanese sword is longer than the survival knife.
  • The length of this Japanese sword is greater than that of the survival knife.

<3>数量差異を伴う比較:AはBよりも…くらい~である。

この日本刀はそのサバイバルナイフよりも50cm長い。

  • This Japanese sword is 50 cm longer than the survival knife.
  • This Japanese sword is longer than the survival knife by 50 cm.

この日本刀はそのサバイバルナイフよりも2倍長い。

  • This Japanese sword is two times longer than the survival knife.
  • This Japanese sword is two times [又はtwice] as long as the survival knife.
  • This Japanese sword is two times [又はtwice] the length as the survival knife.

ちなみに、「X倍(X times)」の箇所は、小数点がある場合でも表現できる。以下を見てみよう。

アメリカ人同僚 盟友Liam

補足~小数点のある倍数比較~

This Japanese sword is 1.5 times longer than the survival knife.

This Japanese sword is 1.5 times as long as the survival knife.

This Japanese sword is 1.5 times the length as the survival knife.

(この日本刀は、そのサバイバルナイフの1.5倍の長さです。)

 

 如何だったでしょうか?

英語は、元々文法には厳しい言語ですが、その中でも特に比較は文法が厳しいです。

分からなくなったら、とにかく基本に戻って「比較したい2文を並べる」原則を思い出すようにしましょう!

 

比較の構文は、しっかりと文法を抑えておかないとダメなことが分かりました。

洋平さん

実際にはこの基本形以外にも、もっと沢山の比較の形式がありますよね?

綾香さん

次回では、応用編として、難しい比較をスッキリ表現するテクニックと、実務翻訳での比較の実例を見ていこう!

アメリカ人同僚 盟友Liam

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