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【英語テクニカルライティング講座#1 テクニカルライティングの3C(Clear, Correct, Concise)とは?】

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この英文テクニカルライティング講座は、当ブログの他の記事と異なり、内容は至って真面目で、上級者向けの記事となっております。本講座のコンセプトは下記をご参照下さい。

(第0回の記事(上記リンク先)と、シリーズ中の記事の関連記事では、センセーショナルな内容があり得ますのでご注意下さい。

さて、真面目なテクニカルライティング講座、記念すべき第1回は…

Tak石河

「テクニカルライティングとは何か?」と、「テクニカルライティングの基礎となる、3C(correct, clear, concise)について紹介していくよ!

アメリカ人同僚 盟友Liam

(パチパチパチパチ…‼)

キョロキョロ…(怪しい不審人物がいないかを厳重にチェック中)

大丈夫ですね、不穏分子は前回の記事で抹殺しておきましたしね。

綾香さん

(コソコソ…コソコソ…)

怪しい男

フッ

吹き矢を飛ばす綾香さん

(ウッ…ガクッ)

撃沈中年男性

…どうしたんですか?

Tak石河

何でもないですよ。では早速本題に入りましょう。

綾香さん

Technical writing(テクニカルライティング)とは一体何か?


 

テクニカルライティングって…technical(技術的な)の文字からして、何だか技術的な、難しそうな文章のイメージがあるんですけど、どうなんでしょう?

洋平さん

そうだね。もともとは、技術者の英語、エンジニアのための英語と言われていたことがあり、初期の頃は「テクニカルライティングは科学技術に特化したライティングだ」と言われていた。

アメリカ人同僚 盟友Liam

Technical writing deals with technical nature. By technical we mean anything having to do with the specialized areas of science and technology.

(テクニカル・ライティングとは、技術的な性質のものを取り扱う。「技術的な」とは、科学や技術の専門領域と関わることを意味する。)

(📖出典📖 The Elements of Technical Writing [Gary Blake and Robert W. Bly 1993])

Technical writing is a specified field of communication whose purpose is to convey technical and specific information and ideas accurately and efficiently.

(テクニカル・ライティングとは、コミュニケーションの特殊の分野であって、その目的は科学技術の情報やアイデアを正確にそして効率的に伝えることである。)

(📖出典📖 H. M. Weisman, Basic technical Writing [Charles E. Merrill Publishing Co., 1985], 「読み手の心を捉える!英文テクニカルライティング(片岡英樹著))

ところがその一方で、最近ではテクニカルライティングの有効性・優秀性が広まり、技術的な事項だけではなく、ありとあらゆる書面のコミュニケーションで、また全ての職業の人に対して活用される普遍的なライティング技術となりました。

Tak石河

The term technical writing includes all written communication done on the job. It originally referred only to writing done in the fields of technology, engineering, and science, but it has come to mean writing done in all professions and organizations.

(テクニカル・ライティングとは仕事上でなされるすべての書面によるコミュニケーションであると言える。最初は、技術、高額、および科学の分野でのライティングを指していたが今日では、すべての職業や組織でなされるライティングを意味するようになった。)

(📖出典📖 William S. Pfeiffer, Pocket Guide to Technical Writing [Prentice Hall, 1998], 「読み手の心を捉える!英文テクニカルライティング(片岡英樹著)」

そうなんですね。でも、やっぱりテクニカルライティングというと、私もすごく理系の専門的な印象がありますね。

あまりこの分野の本は少ないですし、あっても難しそうでとっつきにくい印象です。

綾香さん

昔は技術者専門の英語と思われていたためか、未だに専門的な書籍が多いのは事実だね。

アメリカ人同僚 盟友Liam

このブログが、かつて技術者専用だったテクニカルライティングを、どんな人でも活用できるテクニカルライティングへの架け橋となることを切に願っています^^;

Tak石河

テクニカルライティングの基礎、3C (Correct, Clear, Concise)とは?

テクニカルライティングは、3C(Correct, Clear, Concise)と呼ばれる、非常に重要な要素があります。

Tak石河


試験で良く出てくるやつですよね…!!

綾香さん

そうです、ネタではなくて、本当に試験(工業英検)でも必須の知識ですね…!!

Tak石河

Correct(正確に書く)


Correct (adjective)

If something is correct, it is in accordance with the facts and has no mistakes.

(Correctとは、事実に基づいており、間違いが一切ないこと)

📖出典📖 Collins Coubuild Dictionary)

正しい…のは当たり前だとおもうんですけど…。

洋平さん

そうだね。ただここでは、何となく正しい…のではなく、最大限の正確性が求められている。

アメリカ人同僚 盟友Liam

The content must be true and as technically accurate as possible.

(内容は可能な限り、正しくて、技術的に正確でなければならない。)

(📖出典📖 The Elements of Technical Writing [Gary Blake and Robert W. Bly 1993])

では、具体的な例を見てみましょう。

Tak石河

For example, if an article in the newspaper accidentally describes the distance from the earth to the sun as 9.2 million miles instead of 92 million miles, no real harm, is done.

(例えば、新聞記事が誤って、地球から太陽までの距離を、9,200万マイルではなく、920万マイルとい間違って描いたとしても、実害は出ないでしょう。)

(📖出典📖 The Elements of Technical Writing [Gary Blake and Robert W. Bly 1993])

うーん…そもそも1マイルの距離も、地球から月までの距離も、全然ピンとこないです…。

洋平さん

1 mile(マイル)≒1609.344m(メートル)、9,200万マイル≒1,500憶m≒1,5000万km≒150million kmですね。

綾香さん

うーん、それでもやっぱりピンとこないです…(汗)

洋平さん

おそらく、新聞記事の(専門的ではない)一般的な読者に対しては、逆に実感が湧かなさ過ぎて、間違いであることすら気づかれない場合が多いでしょうね^^;

Tak石河

では次に、間違いが致命的なトラブルになりかねない例を見てみよう。

アメリカ人同僚 盟友Liam

On the other hand, let’s say an operating manual for a pump inaccurately lists the maximum operating pressure as 500 psig instead of 50 psig. The operator pushing the pump past its limit could be hurt or even killed, and you could lose thousands of dollars if the accident shuts down your processing plant.

(他方で、ポンプの操作マニュアルに誤って、最大操作圧力を50 psigではなく、500 psigと記載してしまったとしましょう。50psigを超えて加圧した操作者は、怪我をするか、死に至るかもしれません。そして、処理工場が運転停止になり、何千ドルもの損失が出るかもしれないのです。)

(※注)psigとは、圧力の単位であり、pound-force per square inch on gauge(重量ポンド毎平方インチゲージ圧)の略称。

(📖出典📖 The Elements of Technical Writing [Gary Blake and Robert W. Bly 1993])

文章のちょっとした誤りで、途方もない被害が出てしまうのは、本当に怖いことですね。

綾香さん

では、ほんの一例ですが、間違いやすい英語表現を見て、正しい英文を書くことの重要性を見てみましょう!

Tak石河

affectとeffectの違い

これは非常によくある誤用だね!

アメリカ人同僚 盟友Liam

(間違った文章の例)

Asada-san new sales plan effected “BLACKBLACK” company’s business recovery.

(浅田さんの新しい営業計画はBLACKBLACK会社の事業回復に大きな影響を与えた。)

affectは「影響を与える」、effectは「結果、効果をもたらす」の意味です。

Tak石河

これを正しい英文に直すと、以下のようになるよ!

アメリカ人同僚 盟友Liam

  • Asada-san new sales plan affected “BLACKBLACK” company’s business recovery.
  • Asada-san new sales plan had an influence on “BLACKBLACK” company’s business recovery.

(浅田さんの新しい営業計画はBLACKBLACK会社の事業回復に大きな影響を与えた。)

and/or

 

この表現って、A and/or Bで、AとBのいずれでもOKですっていう意味だと思ってました。

洋平さん

この表現は、元々は特許や契約書、借用書といった法律的な文章によく使われている表現だね。

A and/or Bは、「AもしくはBあるいはA, B双方」という3つの意味を持つんだ。

アメリカ人同僚 盟友Liam

特許文では、A and/or Bは「Aおよび/またはB」と表現します。

Tak石河

(間違った文章の例)

When you borrow money from “Nikoniko-loan”, you are requested to give them your health insurance certificate and/or passport.

よく考えずにand/orを書いてしまうと、「健康保険証もしくはパスポート、あるいはその両方を提供してください」という意味になって、過剰な要求になってしまうわけですね。

綾香さん

この場合は、and/orではなくて…

Tak石河

  • When you borrow money from “Nikoniko-loan”, you are requested to give them your health insurance certificate and passport.

(ニコニコローンからお金を借りる時は、健康保険証とパスポートの両方を提供してください。)

  • When you borrow money from “Nikoniko-loan”, you are requested to give them your health insurance certificate or passport.

ニコニコローンからお金を借りる時は、健康保険証とパスポートのいずれかを提供してください。)


どちらかにすると自然な内容になります。

Tak石河

では、and/orが正しく使われている例を見てみよう。

アメリカ人同僚 盟友Liam

The bank requested Asada-san to offer his house and/or passport as collateral.

(銀行は担保物件として、浅田さんの家もしくはパスポート、あるいはその双方を提供するように浅田さんに要求した。)

これは論理的に間違っておらず、正しい使い方ですね。

Tak石河

…この浅田さんっていう方、大変ですね。家は担保物件になるし、パスポートも…。

というかパスポートって担保物件になるんでしょうか?

洋平さん

きっとこの方は他に担保物件になるようなものもないんだわ。

洋平くん、あまり関わっちゃだめよ

綾香さん

Clear(明確に書く)


Clear (adjective)

Something that is clear is easy to understand, see, or hear.

(Clearとは、理解したり、見たり、聞いたりすることが容易であること。)

📖出典📖 Collins Coubuild Dictionary)

これは、過去の書評記事にも少し書いた例を引用してみるよ。

アメリカ人同僚 盟友Liam

以下の例文をまず読んでみて下さい。

Tak石河

Heat the structure thoroughly.

(構造物を十分に加熱してください。)


…この文章、何が問題あるんでしょうか?十分に加熱すればいいんですよね?

洋平さん

いえ、これ分からないわ。十分に加熱って…。100℃で24時間加熱したらいいのか、それとも特殊な設備を使って1,000℃で100時間加熱するのか…。構造物によっては、1,000℃まで加熱しちゃったらそもそも壊れちゃうかもしれないし。

綾香さん

な、なるほど…。

洋平さん

ここは、例えば、「何度になるまで加熱、何分間加熱」といった具体的な情報を付加するとClear(明確)になるね。

アメリカ人同僚 盟友Liam

  • Heat the structure for 10 minutes.(その構造物を10分間加熱してください)
  • Heat the structure to 180℃.(その構造物を180℃になるまで加熱してください)
  • Heat the structure to 180℃ for 10 minutes.(その構造物を180℃になるまで、10分間加熱してください)

このように、具体的な情報を書き添えてやることで、文章を明確に伝えることができます。

Tak石河

Concise(簡潔に書く)


Concise (adjective)

Something that is concise says everything that is necessary without using any unnecessary words.

(Conciseとは、不要な言葉を一切使わずに、必要なことが全て網羅されていることである)

📖出典📖 Collins Coubuild Dictionary)

まず例を見てみよう。

(あまり簡潔でない文章の例)

The document gives a brief description of the windows NT Server.

(この文書は、ウインドウズNTサーバーの簡易説明を示す。)

Conciseのテクニックは、今後の記事で沢山紹介していきますが、一つのパターンとして、あまり意味を成していない動詞を省くというものがあります。

最初の例文は、例えば以下のように、動詞describeを使って簡潔に書くことができますね。

Tak石河


 

The document briefly describes the windows NT Server.

(この文書は、ウインドウズNTサーバーの簡易説明を示す。)

この例文では、giveがあまり意味を示していないので、describeを動詞にするとスッキリ表現できる。

アメリカ人同僚 盟友Liam

 

うーん…難しいです。どうしても、元々の和文につられてしまいます。

洋平さん

 

Conciseに書くためには、技術・修行と、後は語彙力が必要になってくるね。

最初の例だと、description(名詞)が、describe(動詞)に使えることに気づかないと、なかなか難しいと思う。

アメリカ人同僚 盟友Liam

もう一つ例を見てみましょう。

Tak石河

私は偶然、このブログを見つけた。

I discovered the blog by chance.…でしょうか?

洋平さん

 

もちろんそれで意味は100%通じる。

ここで、by chance(偶然)discover(見つける)をもっと簡単な表現にすると…?

アメリカ人同僚 盟友Liam

うーん…これ以上簡潔になるんですか?ちょっと思いつかないです…。

洋平さん

 

stumbleを使うのかな?

I stumbled on the blog.

(私は偶然、このブログを見つけた。)

綾香さん

 

その通り!!

stumble(つまづく、よろめく)に前置詞on, upon, acrossが続くことで、「偶然発見する(出くわす)」という意味になる。

アメリカ人同僚 盟友Liam

私のこのブログも、偶然ネットサーフィンしていても見つかるような知名度の高いサイトになるように、努力していきたいですね!(切実)

Tak石河

Technical writing(テクニカルライティング)を習得すると何が良いのか?向いている人・おすすめする人とは?

では、テクニカルライティングを習得すると何が良いかですが、以下のメリットがあります^^;

Tak石河

テクニカルライティングを習得することのメリット
  • ライティングが得意になり、英語の文書やメールを圧倒的に早く正確に書くことができる
  • 英語の語彙力が増え、今まで大雑把だったのが、細かい所まで正確に分かりやすくライティングができるようになる
  • ビジネスで効果的な提案書を書くことができる
  • 技術的なマニュアル文書を書くことができる
  • 英文法が正確になる

…等々、数えきれないメリットがあります!

ふと気づいたんですが、このブログのタイトルって、「大阪発!現役サラリーマンが教える【ビジネス英会話塾】」じゃないですか?

ライティングって、スピーキングにも影響するのでしょうか?

洋平さん


実は…一見関係なさそうに見えて、深い関係があります!ライティングができるようになると、スピーキングも上達するんです!

Tak石河

テクニカルライティングを習得することの(一見意外な)メリット

スピーキングも上手くなる!(簡潔で分かりやすく話すことができるようになる!)

え…そうなんですか!?

てっきり、ライティングとスピーキングは別物だと思っていました…。

洋平さん

実は、ライティングが上手くなるとスピーキングも上達しますよ。

例えば、会話でこんな内容を表現するとしたら、どうしますか?

Tak石河


睡眠不足です。

うーん…I didn’t sleep well.でしょうか…?

洋平さん

それでOKです、会話でも問題ないですが、こんな表現も知っておくと、幅が広がって良いです。

Tak石河

I’m sleep-deprived.(睡眠不足です。)

そんな表現があるんですね!

sleep-deprived(睡眠が奪われている)って、面白い表現ですね。

綾香さん

では、もう少し例を出してみよう。

アメリカ人同僚 盟友Liam

(牛乳をすすめられて)私は牛乳を飲むとお腹を壊すので、牛乳は飲めません。

ええと…I can’t drink milk because I can’t digest milk.でしょうか…。

洋平さん

洋平くんのは意味は通じるけど、ちょっとモタモタしてますね。

綾香さん

テクニカルライティングの技術を使えば、これも一言で言えてしまうよ。

アメリカ人同僚 盟友Liam

I’m lactose-intolerant.(私は乳製品はダメなんです。)

すごい…本当に一言で言えてしまうんですね!

綾香さん

lactose-intolerelantは、「乳糖(ラクトース)不耐症の」という意味で、つまり

「乳糖を受け付けない体質である→牛乳、乳製品がダメです」ということを全て表現できてしまうんだ。

アメリカ人同僚 盟友Liam

短くて、かつ、分かりやすいので、これをゆっくり発音しても外国人にスピード負けせずに会話を進めることができます。

テクニカルライティングを極めると、最終的には文章だけでなく、話し言葉もテクニカル・スピーキングになりますね。

Tak石河

なるほど~。話し言葉も簡潔・明確にビシッと決まっているのは良いですね!

綾香さん

ここまで見てきて、テクニカルライティングって「堅苦しいなあ…こんなの絶対嫌だ!」と思うか、「面白い…是非勉強してみたい!」と思うかは、人それぞれだと思います。

Tak石河

 

向き不向きってあるんですか?

洋平さん

個人的に、テクニカルライティングが向いているのは、下記のタイプの方だと思いますね。

Tak石河

テクニカルライティングが向いていると思われる人(Tak石河個人的見解)
  • 元々(日本語でも英語でも)文章を書くことが好きな人
  • 何かをコツコツと積み上げていくことが得意な人
  • きっちりした性格な人
  • 自分自身の一歩一歩の成長に達成感を感じる人

僕は、ちょっと苦手ですね…。難しいし、元々英語のライティングがあまり得意じゃないので。

洋平さん

そういう場合でも、全部わからなくても、所々、部分的にでも技術を習得していくといいですよ。

一歩一歩の積み重ねが、後々の大きな飛躍につながります!

Tak石河

如何だったでしょうか?

今日の記事は、テクニカルライティングのさわりの部分だったので、まだピンと来ないことが多かったと思いますが、今後の記事どんどん紹介していくので、楽しみにしていて下さいね!

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