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【洋書レビュー(12) The Best of Andersen’s Fairy Tales~洋書で読むアンデルセン童話の名作!~】

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懐かしい!今でも、全世界で絵本・文庫本になって出ているわね!

Diana

若い世代の皆様にはもちろん、既に大人になった方にも、是非読んで欲しいですね!

Tak石河


The Best of Andersen’s Fairy Tales(アンデルセン名作選)の総評

お勧め度

★★★★★(★5つ、きっと皆、小さいころに絵本で読んであろう不朽の名作です!)

おすすめする読者層

Lv.1 超初心者~Lv.5 最上級者

英語初心者の方はもちろん、英語が既に得意な方でも、是非読んでほしいですね!

Tak石河

この本は、学習者のレベルに合わせて読める、英文リーダーの「ラダーシリーズ」ね!

Diana

ラダーシリーズとは

「はしご (ladder)」を使って一歩一歩上を目指すように、学習者の実力に合わせ、無理なくステップアップできるように開発された英文リーダーのシリーズ。LEVEL1(使用語数:1,000語、TOEIC: 300~400点、英検:4級レベル)~LEVEL5(使用語数:制限なし、TOEIC:700点以上、英検:準1級レベル以上)とレベル分けされている。

(📖出典📖 ラダーシリーズ 「はじめに」の説明より)

本書、The Best of Andersen’s Fairy Talesは、LEVEL1ですが、侮ることなかれ、英文を読みなれていないと、完読するのはそこそこ大変ですよ^^;

Tak石河

是非、洋書デビューの最初の1冊としてもチャレンジしてみてくれ!

Manager Ben

ラダーシリーズについては、下記の記事でも少し触れたので参照してみてね!

アメリカ人同僚 盟友Liam


分野

童話、一般教養

Tak石河レビュー

この本では、アンデルセン童話の数々の名作のうち、「The Little Mermaid(人魚姫)、The Emperor’s New Clothes(裸の王様)、The Steadfast Tin Soldier(しっかり者のスズの兵隊)、The Ugly Duckling(醜いアヒルの子) 」の4つの作品が収録されているよ!みんな、どれか一つは読んだことあるんじゃないかな?

アメリカ人同僚 盟友Liam

さすがの俺でも全部しってるぜ!人魚姫は、素敵な王子様を見つけて海に連れ去り、竜宮城で奴隷にしたという話だな!

Sales Manager浅田さん

あの、真面目な洋書レビューのコーナーで、皆の夢を破壊&冒頭から話の腰を折らないでくれるかしら?間違っているし、怪しいスマホゲームのやりすぎよ!

Diana

浅田さんはおいておいて、知っているつもりでも、意外とちゃんと知らなかった!ということは多いかもしれませんね。では順にみていきましょう!

Tak石河

※以下、特に注釈のない限り、引用はThe Best of Andersen’s Fairy Talesより、日本語訳はTak石河の試訳です。

The Little Mermeid(人魚姫)

大まかなあらすじ

誕生日に海の上に登った人魚姫は、船上の美しい人間の王子に恋心を抱く。船が嵐で難破し、海に放り投げられた王子を浜辺で介抱し、少し離れた所から王子を見ていた所、王子は近くの修道院から出てきた女性に連れられて行った。

それ以来、彼女は王子のことを忘れられず、王子に再び会おうとする。人魚が人間と結婚することは不可能であったが、人魚姫は魔女から、美しい声と引き換えに、人魚の尻尾を人間の足に変える魔法の薬をもらう。人間の姿になった人魚姫は、再び海の上に上がり、王子との再会を果たす。その後、しばらく宮殿で王子と人魚姫は素敵な時間を過ごすが、声を失った彼女は王子を救ったことを話せず、王子も彼女が命の恩人であることに気づかない。

そんな中、王子と隣国の姫君との縁談が持ち上がる。その姫君こそが、浜辺で王子を連れていった修道院の女性であった。実は王子は、自分の命の恩人はこの修道院の女性と勘違いしており、ずっと心に想っていた女性であった。王子は喜んで婚姻を受け入れ、姫君をお妃に迎え入れた。

悲嘆に暮れる人魚姫の前に現れた姉たちは、「魔女からもらった短剣で王子を刺し、王子の流した血で人魚の姿に戻れる」という魔女の言葉を彼女に伝えた。しかし、人魚姫は王子を殺すことはできず、自ら死を選び、海に身を投げて泡となってしまった。

 

ここがみどころ!~人魚姫と王子様・お妃とのお別れのシーン~

この作品って、「悲劇の恋」や、「叶わぬ恋」の代名詞になっているわね。

Diana

でも、原作を見てみるとそうでもないんだ。ハイライトシーンを見てみよう!

アメリカ人同僚 盟友Liam

She saw the Prince and his beautiful bride looking for her. They were watching the foam on the waves as if they knew she had jumped to her death.

Unseen by either of them, she kissed the bride’s forehead and smiled upon the Price. Then she rose with the other children of the air up to the clouds which were sailing the sky.

<※海の泡になった人魚姫が、風の精霊(空気の精霊)に生まれ変わって、空に浮かびあがり、王子と妃に最後のお別れをするシーン>

(人魚姫は、王子と美しい妃が、泡となった自分を見ている姿を目にしました。王子とお妃が海の泡を見ている姿は、あたかも、人魚姫が海に身を投げて死を遂げたことを知っていたかのようでした。

二人には見えることなく、人魚姫は花嫁の手の甲にキスをし、王子に微笑みました。そして、彼女は精霊の子供たちとともに、大空で漂う雲へと昇っていきました。

え、何か悲劇じゃなくて、何かほろ苦いハッピーエンド…みたいになってない!?

Diana

人魚姫は、王子と、そして本来は恋敵になるはずの花嫁を祝福して、風の精霊に生まれ変わるという、比較的前向きな終わり方になっていますね。仮にDianaが人魚姫だったらどうしてる?

Tak石河

もちろん、イケメン王子様を海に連れて帰って私好みの王子様に調教するわ♪あと、お城に身代金もタップリ請求しないとね!

Diana

俺のスマホゲームの人魚姫と一緒じゃねえか!

Sales Manager浅田さん

そんな人魚姫…見たくないです

Tak石河

The Emperor’s New Clothes(裸の王様)

大まかなあらすじ

ある所に、洋服が大好きな王様がいた。ある日王様は、「愚か者には目に見えない、極上の衣装を仕立てる」という二人組の男と会った。王様は大金を支払い、彼らにその衣装を仕立てさせた。

完成した衣装は、王様はじめ、家来の誰の目にも見えなかったが、自分が愚か者と言われることを恐れ、その衣装を皆で賞賛する。

王様は、その新しい「目に見えない衣装」をまとい、パレードを開催した。見えてもいない衣装を、大人たちが賞賛する中、沿道にいた小さな子供が「王様は裸だよ!」と叫び、群衆はざわめいた。そして群衆皆が「王様は裸だ!」と叫び出す中、王様のパレードは続くのだった。

ここがみどころ!~裸の王様は、裸であることを子供に言われた後、どうしたのか?~

確か、民衆に裸であることを指摘された王様は激怒したんじゃなかったっけ?

Diana

実は…これも原作は違っているんだよね。以下、最後のハイライトシーンを見てみよう!

アメリカ人同僚 盟友Liam

Finally, the whole crowd cried, “He really has nothing on!”

At that point, the Emperor heard the crowd and he knew they were right. He felt very foolish. But at the same time he thought, “I must continue with this procession until the end.” So he tried to pretend that nothing was wrong and just kept marching. While behind him, his helpers continued to hold up the long coat that wasn’t there.

(※小さな子供が、「王様は裸だよ!」と叫んだ後…とうとう、群衆は皆、「王様は裸だ!」と口々に言いました。

その時、王様は群衆の声を聞き、悟ったのですー彼らは正しいのだと。王様は自分をとても愚かだと思いました。しかし同時に、王様はこう思いました。「このパレードを最後まで終わらせなければならない。」そして、王様は何もおかしなことはなかったかのように、淡々とパレードを続けたのです。王様の後ろでは、お付の者が、そこにあるはずもない、長いコートを持ち続けていたのでした。

まじか…!!てっきり王様は激怒して、自称仕立て屋の二人はスタコラサッサなのかと思ったぜ。王様、やるな…‼

Sales Manager浅田さん

このお話の最後は、色んな解釈ができると思う。自分が裸と悟っても、自分のプライドを守り続けた権力者や人間の愚かさを描いたとも取れるし、そのプライドを捨てきれない人間の悲しさを描いた、とも言えそうだね!

アメリカ人同僚 盟友Liam

The Steadfast Tin Soldier(しっかり者のスズの兵隊)

大まかなあらすじ

ある男の子の誕生日祝いに、古いスズから作られたスズの兵隊がおくらtっれた最後に作られた兵隊は材料のスズが不足し一本足に。一本足のスズの兵隊は、紙を切り抜いてできた踊り子の人形に思いを寄せる。その踊り子は一本足で立ち、つま先を上げており、同じ一本足の自分と似ていると考えたのだ。

あくる朝、兵隊は窓から階下に落ちてしまい、川に流され、魚に飲み込まれてしまう。幸運にもその魚は男の子の家に買われて戻ったものの、男の子は暖炉の中に兵隊を放り込んでしまう。兵隊が燃えていく中、紙の踊り子は風に飛ばされ、兵隊のそばで焼け失せてしまった。

次の日に暖炉の灰をかきだすと、兵隊はハート型の小さなスズの塊になっていた。

ここがみどころ!~スズの兵隊が、旅の出発点に戻ってきて見たものとは?~

He saw that he was in the same room where his journey had started. There were the vary same children; there were the very same toys; there was the fine paper castle with the lovely little dancer at the door. She still stood on one leg, with the other raised high in the air. Ah, she was steadfast too.

(彼(スズの兵隊)は、彼の旅路が始まった同じ部屋にいる自身の姿を見ました。部屋には、本当に同じ子供たち、おもちゃ、そして、ペラペラの髪のお城がありました。お城のドアには、可愛らしい踊り子の姿がありました。彼女は微動だにせず、片足で立ち、もう片方の足を空中に上げていました。…ああ、彼女もまた、しっかり者だったのです(steadfast)…


個人的には、最後の’Ah, she was steadfast too.’の箇所が、スズの兵隊自身のsteadfast(しっかり者)とオーバーラップして、とても感傷的な感じがしますね。

Tak石河

ちなみに、この作品で取られている、無生物を擬人化し童話中に登場させる手法は、当時画期的な手法で、アンデルセンの作品の中でも、無生物に初めて命を吹き込んだ作品と言われているよ!

アメリカ人同僚 盟友Liam

The Ugly Duckling(醜いアヒルの子)

大まかなあらすじ

アヒルの群れの中で、他のアヒルと異なったひな―醜いアヒルの子―が生まれた。周囲のイジメに耐えられなくなったひな鳥は、家族の元から逃げ出すが、他の群れでも虐められ、生きることに疲れ切ってしまった。いっそ殺してもらおうと、白鳥の住む水地に訪れたひな鳥は、いつの間にか成長して、アヒルではなく美しい白鳥であった自分に気づくのだった。

ここがみどころ!~死を覚悟した醜いアヒルの子が、美しい白鳥の自身の姿に初めて気づいた瞬間~

So he flew out into the pond, and swam towards the swans. When they saw the duckling they rushed towards him quickly. “Kill me and end my sadness!” cried the poor duck. He lowered his head and waited for death.

But what did he see in the clear water? Himself? Was it possible? He was no longer a strange, large-gray and very ugly bird; he too was a swan!

(彼(醜いアヒルの子)は、池から飛び立ち、白鳥に向かって泳ぎました。白鳥たちがアヒルの子を見て駆け寄ると、かわいそうなアヒルの子は「もう僕を殺してくれ!こんなのもういやだ!」と叫びました。彼は頭をうなだれて、死の訪れを待ちました。

しかし、頭をうなだれたアヒルの子が水面に何を見たでしょう?彼自身でしょうか?こんなことがあり得るのでしょうか、彼は変な、ずんぐりとした灰色の醜い鳥から、周りと同じ白鳥の姿になっていたのです!

ここの、死を待って頭をうなだれて、水面を見て自分を見て、白鳥だった自分に気づく所は、英単語は簡単ですが、実に巧みな情景描写がなされていますね。

Tak石河

自分が劣等感を持っていても、実は気が付いたら、他と優れた能力を持っていた…という感じかしら?

Diana

人生でも、若いころは地味でも、地道に努力を続けていけば、後になってその努力が報われる…みたいな読み方もできるかもしれませんね

Tak石河

如何だったでしょうか?

意外と原作のストーリーを知らなかった…という方も多いのではないでしょうか?

この本が、皆さんの洋書ライフに潤いをもたらす一冊であることを祈っています^^;

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